ノルム$\| \cdot \|$と内積$\langle \cdot, \cdot \rangle$をもつHilbert空間$H$上の不動点問題について考察しましょう。 \begin{align*} \text{Find } x \in \mathrm{Fix}\left(T\right) := \left\{ x\in H \colon T \left( x \right) = x \right\}. \end{align*} ただし、$T \colon H \to H$は非拡大写像 (nonexpansive mappping)、すなわち、$\|T(x) - T(y) \| \leq \| x-y \|$ $(x,y\in H)$を満たす写像です。 不動点定理は、 Banach, Brouwer, Caristi, Fan, 角谷, Kirk, Schauder, 高橋といった偉大な数学者によって研究がなされ、Hilbert空間に限らず、より一般な空間上での非線形写像の不動点の存在性やその近似法について研究が今なお盛んに行われています。以下に不動点問題の重要な例を紹介します。
不動点問題を解くための解法としては、以下の有用な3つの不動点近似法が知られています。
Krasnosel'skii-Mann アルゴリズムに基づいた手法を考案し、提案手法が既存手法よりも高速に不動点に収束することを示しました。研究成果については、以下の論文に纏めてあります (論文は研究業績等一覧から入手できます)。
Halpern アルゴリズムと提案手法の数値比較を行い、提案手法が既存手法よりも高速に不動点に収束することを示しました。この成果については、以下の論文に纏めてあります (論文は研究業績等一覧から入手できます)。
不動点集合上の凸最適化問題に関する加速法については、以下の結果にあります。ご興味のある方は、是非、ご参照下さい(論文は研究業績等一覧から入手できます)。